男性きものの基礎知識
| 出張着付けメニュー | 料金(税込) | 所要時間 |
|---|---|---|
| 男性着物(羽織袴含む) | 8,500円 | 約45分 |
こんにちは。ちどり着付け教室のフジタです。
男性のきものは、女性のきものに比べると種類や組み合わせが比較的シンプルです。
だからこそ、おしゃれ着と礼装の違いが、かえって分かりにくいように思います。
「男性のきものには、どんな種類があるの?」
「結婚式や改まった席では、何を着ればいい?」
「譲り受けたきものがあるけれど、いつ着られるものなのかわからない」
基本となる「格」と「TPO」がわかれば、礼装から普段のおしゃれまで、ぐっと選びやすくなります。
今回は、男性きものの種類や格、着用する場面について、基本からご紹介します。
男性きものの格は何で決まる?
男性きものの格は、主に紋の数や、きもの・羽織・袴の組み合わせによって変わります。
大きく分けると、
- 第一礼装
- 略礼装・改まった装い
- 外出着
- 普段着
と考えるとわかりやすいでしょう。
ただし、きものは「この種類なら、どこへでも着ていける」というものではありません。
同じきものでも、紋の有無や合わせる羽織・袴、小物、そしてその場での立場によって装いが変わります。
洋服に置き換えて考えてみると
きものの「格」は、初めての方には少しわかりにくいものです。
洋服で考えると、
「結婚式などで着るフォーマルウェア」
「仕事や少し改まった席で着る背広(スーツ)」
「食事や観劇に着るジャケットスタイル」
「休日に楽しむカジュアルウェア」
と、場面によって服装を選びますよね。
男性きものも基本的な考え方は同じです。
大切なのは、きものの名前だけを覚えることではなく、どこへ、どんな立場で着ていくのかを考えることです。
黒紋付羽織袴|男性の第一礼装
男性のきものの中で、最も格式の高い装いが黒紋付羽織袴です。
黒羽二重などの黒いきものと羽織に五つ紋を入れ、袴を合わせます。
結婚式では新郎や新郎新婦の父親など、主役やそれに近い立場の方の礼装として着用されます。
慶事の場合
白足袋、白い鼻緒の雪駄、白扇などを合わせ、格調高く装います。
弔事の場合
黒紋付は弔事にも用いられます。
羽織紐や雪駄などの小物も、黒やグレーなどの控えめなものを合わせます。
同じ黒紋付でも、慶事と弔事では合わせる小物が変わります。
色紋付羽織袴|色を楽しめる礼装
黒以外の無地のきものに紋を入れ、羽織と袴を合わせた装いです。
黒紋付羽織袴とはまた違った、華やかでやわらかな印象になります。
結婚式のお色直しや成人式、式典、舞台などでも見られる装いです。
ただし、色紋付は紋の数や種類、合わせる袴などによって格が変わります。
「色紋付なら黒紋付の次の格」と単純に決まるわけではなく、実際の着用場面に合わせて考える必要があります。
紋付のきものと羽織|改まった席の装い
紋の入ったきものに羽織を合わせれば、きちんと感のある装いになります。
羽織袴ほど格式を求めない場でも、普段着より改まった印象にしたいときに向いています。
祝いの席や式典、趣味の集まり、お茶席など、場に合わせて装います。
なお、お茶席では流派や会の趣旨によって装いの決まりが異なることがあります。
きもの+羽織|男性らしい外出着
礼装ではなく、おしゃれとして男性きものを楽しむなら、きものに羽織を合わせたスタイルが活躍します。
きものと羽織を同じ反物で仕立てたものは「アンサンブル」と呼ばれますが、必ずしも同じ生地で揃える必要はありません。
現在では、異なる色や素材のきものと羽織を組み合わせて楽しむこともできます。
街歩きや観劇、旅行、食事など、洋服でいうジャケットスタイルのような感覚で楽しみやすい装いです。
普段着・おしゃれ着|気軽に楽しむ男性きもの

礼装ではない男性きものには、正絹のきものから木綿など、さまざまなものがあります。
紬や御召などは、素材や織りの風合いを楽しめるおしゃれ着です。街歩きや食事、観劇などのお出掛けにも向いています。
木綿は、より気軽な普段着として楽しめます。
きものの色や素材、帯や羽織との組み合わせによって、男性ならではのおしゃれを楽しめます。
浴衣|夏に楽しむもっとも身近な和装
浴衣は、男性にとっても気軽に楽しみやすい和装のひとつです。
夏祭りや花火大会、夕涼みなど、夏ならではのおしゃれとして楽しめます。
帯や下駄との組み合わせで印象も変わるので、初めて和装を楽しむ方にも取り入れやすいでしょう。
男性きものの種類と着用場面の目安
| 種類 | 主な着用場面 |
|---|---|
| 黒紋付羽織袴 | 結婚式・式典などの正式な場 |
| 色紋付羽織袴 | お祝いの席・成人式・舞台・式典など |
| 紋付のきもの+羽織 | 改まった席・茶席など |
| きもの+羽織 | 観劇・旅行・食事・趣味の集まりなど |
| 紬・木綿 | 街歩き・食事・普段のお出掛け |
| 浴衣 | 夏祭り・花火大会・夕涼み |
※実際の装いは、会の趣旨や地域、立場などによって異なる場合があります。
男性きものに合わせる履物
履物も、きものの格や着用する場面に合わせて選びます。
| きもの | 履物の目安 |
|---|---|
| 黒紋付羽織袴(慶事) | 白い鼻緒の雪駄 |
| 黒紋付羽織袴(弔事) | 黒・グレー系など控えめな鼻緒の雪駄 |
| 色紋付・改まった装い | 雪駄 |
| きもの+羽織・紬 | 雪駄・草履・下駄など |
| 木綿・浴衣 | 雪駄・下駄など |
※地域や流儀、会の趣旨などによって異なる場合があります。
男性きものは、シンプルだからこそ面白い
男性きものは、女性のきもののように華やかな柄や帯結びで大きく印象を変えるというより、
- きものの色
- 素材の風合い
- 羽織との組み合わせ
- 帯
- 羽織紐や履物などの小物
といったところで個性を楽しみます。
一見シンプルですが、色や素材の組み合わせで印象は大きく変わります。
そして、すっきりとした装いだからこそ、着る人自身の雰囲気や所作が映えるのも男性きものの魅力です。
まとめ|まずは「どこへ着ていくか」から
男性きものには、黒紋付羽織袴のような第一礼装から、紬や木綿、浴衣などの気軽な装いまであります。
選ぶときに考えたいのは、
- どこへ着ていくのか
- どんな場なのか
- 自分はどんな立場で参加するのか
- どのくらい改まった装いが求められるのか
ということ。
「これは何という種類のきもの?」だけで判断するのではなく、着ていく場所と立場から考えると選びやすくなります。
ご家族から譲り受けた男性きものも、種類や紋、サイズ、状態などを確認すれば、今の暮らしの中で活用できるものが見つかるかもしれません。


